妊娠高血圧症候群~ミニ太出産まで3

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これまでのお話:妊娠高血圧症候群 ~ミニ太出産まで1~ミニ太出産まで2

妊婦検診からその産院で即日管理入院、「重症妊娠高血圧腎症」となり入院7日目にして各種設備が整う総合病院に転院したハハ。
結局転院から12日後にミニ太を出産してしまうことになる訳ですが…。出産までの経緯にしばしお付き合い頂ければ幸いです。
(かなりの長文です…)

 

転院先の病院(総合周産期母子医療センター認定医療機関)

ハハの転院先、そして現在もミニ太がお世話になっている病院は「総合周産期母子医療センター」の認定を受けている病院でした。

総合周産期母子医療センターは、産科及び小児科(母体・胎児集中治療管理室及び新生児集中治療管理室を有する。)、麻酔科その他の関係診療科目を有するものとする。

(-中略-)

総合周産期母子医療センターは、以下の設備を備えるものとする。
a 母体・胎児集中治療管理室
(a)分娩監視装置
(b)呼吸循環監視装置
(c)超音波診断装置(カラードップラー機能を有するものとする。)
(d)その他母体・胎児集中治療に必要な設備
(e)母体・胎児集中治療管理室は、必要に応じ個室とすること。
b 新生児集中治療管理室
(a)新生児用呼吸循環監視装置
(b)新生児用人工換気装置
(c)保育器
(d)その他新生児集中治療に必要な設備

厚生労働省資料より抜粋)

母体および胎児/新生児が生存するために必要な設備・病床数、医療従事者などがかなり細かく定義されています。
(ミニ太が生まれなければ、調べることもなかった情報でした)

例えばa(c)、「カラードップラー機能を有する超音波診断装置」。妊婦検診でゼリーをつけてグリグリ?!されるエコーの装置ですが、転院前の産院では単なる白黒だったのが、この病院ではボタン切り替えにより黄色~赤~青の色がリアルタイムに画面表示されていました。先生は、その色で血液の流れを確認されていたようです。

また転院2日目から出産までは、上述にもある「母体・胎児集中治療管理室(MFICU)」という個室にお世話になりました。
MFICUとはMaternal Fetal Intensive Care Unitの略で、Mはお母さん、Fはお腹の中の赤ちゃん。そのICU(集中治療室)。何らかのハイリスク症例を伴う妊産褥婦さんが入院する場です。

初日の大部屋で風邪を引きかけたのと、面会で家族と会うのには広い個室の方が嬉しかったし、何より出産前の数日間は夜涙腺緩みまくりだったので気兼ねなく泣いたりと^^;、おかげでストレスなく出産まで臨むことができました。

 

重症妊娠高血圧腎症 悪化の一途

血圧が上昇すると=高血圧腎症が悪化すると、母体へは以下影響の可能性が高まる旨、先生より説明を受けました。

  • 腎臓・肝臓の機能低下
  • 凝固障害により出血が起こりやすくなる(=出産時の大量出血にも繋がる)
  • けいれんなどの神経症状・胎盤早期剥離 …など

そして赤ちゃんへの影響としては発育停止・子宮内死亡の懸念もご教示頂きました。

 

妊娠高血圧腎症にも軽症・重症の区分があり、軽症は血圧140/90、重症は160/110以上。私はすでに後者の160/110以上となっていました。そのため、いつ妊娠の終了=緊急帝王切開による出産となっても良いように、入院後の早い段階から採血・レントゲン・心電図、そして麻酔の説明を受けました。

日々の診察としては、以下があったと記憶しています。

  • 採血(1日2-3回。これで母体のダメ状況を観察していたので、通常より頻繁に採血されていたと思います。)
  • 採尿(丸1日間の尿を採取/保管、回数や1回の量を計測して記録。その値や成分を分析頂いていたようです)
  • 胎児の心拍モニター確認(午前・午後2回;必要時3回)
  • 血圧測定、指での酸素量(SpO2;具体名は動脈血酸素飽和度)測定、むくみ・頭痛・目のチカチカなど問診
  • 3-4時間おきに降圧剤(錠剤)を飲む

上記の中では「採血」が辛かったです。当方、腕の血管が細い&見えにくいので、1回の採血に3-4回刺されたり。その度に看護師さん選手交代されたり。お手数をお掛けし、看護師さんにも申し訳なかったです^^;。

 

私の高血圧腎症は清々しいくらいに?!悪化していき、降圧剤を飲んでいても、血圧は下がることはありませんでした。
むしろ上がるばかりで、降圧剤の種類が変わり、量が増え。そして頭痛・目のチカチカなどは無かったのですが、唯一脚のむくみがひどくなりました。
ひざ下のむくみは大したことない&圧着靴下で何とか軽減されてましたが、太もものむくみが酷すぎて、あぐら・正座ができない。スピードスケート選手の太もものように、パンパン&カッチカチに。ベッドの上で体勢を変える事すら出来づらくなりました。

 

そして高血圧に伴い、事前に説明を受けていた通り「血小板数」「肝機能」の数値も悪化。
以下ハハの時系列採血結果です。(単位省略)

  • 血小板数:正常時18-39、入院3日目=29、入院7日目=21、出産4日前=16、出産前日=13未満
  • AST(GOT):正常時14-32、入院3日目=25、出産3日前=34、出産前日=50
  • ALT(GPT):正常時9-25、入院3日目=30、出産3日前=36、出産前日=54

AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)とALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)は、本来肝臓の細胞の中にある酵素ですが、肝細胞がこわれると血液の中に漏れ出てくるとの事。
そのため、高血圧による肝細胞破損→各種酵素が血中に漏れ出る→肝機能障害→母体危険という流れになります。

いよいよ母体もタイムリミットを迎えておりました。

 

早く生まれるための胎児向け事前準備

ミニ太が早く生まれてきてしまうことは明らかなので、ミニ太が出生後無事に発育できるよう、以下の処置もして頂きました。

母体へのステロイド(リンデロン)注射

赤ちゃんの肺は通常妊娠34週で成熟しますが、その前に出産の可能性がある場合、「リンデロン」というステロイドを筋肉注射することにより赤ちゃんの肺成熟を促すとの事。2日連続で1日1回。起こりうる副作用は一時的な血圧上昇や手足のしびれ・発熱などを事前に言われましたが、(もともと高血圧だしw)私は何もありませんでした。

母体へのマグネゾール経静脈点滴投与

切迫早産の際にも用いられるようですが、マグネゾール(硫酸マグネシウム)には赤ちゃんの脳保護作用があるとのこと。
2回点滴で受けましたが、まー痛かったです。痛いというか、流れてくるところが痛い、熱い(火照る感じ)、しびれる。しかも時間をかけての点滴だったので、ベッドの上で文字通り悶絶していました。帝王切開の手術よりしんどかったかも^^;。…あ、個人差あるようなので、皆がそうではないと思われます。

 

そしてミニ太出産

そんなこんなで入院12日間。
1日1日が本当に長く感じられました。
赤ちゃんとしては1日、1時間でも長くお母さんのお腹の中にいた方が良いわけで。
こちらのホームページの統計(Q.「早産で生まれました。助かる率はどのくらいでしょうか?」)を確認しては、妊娠22週〇日経過!、23週になった…!! あと×日で24週…!!! とカウントしていました。

ハハは1日3食の病院食は完食、できる範囲での軽い運動/部屋内の散歩、日中のシャワーなど、パッと見何の問題もなさそうな妊婦さんをしていたと思います^^;。
そして毎日の心拍モニター、数日おきのエコーで、ミニ太自体も元気であることは分かっていました。体重も推定500g超。

しかし胎児の生存率が50%程度から70-80%程度にまで上昇する妊娠24週0日を迎えた時、先生より
もうお母さんの身体が限界です。赤ちゃんは元気できっと500gは超えていると思うので、お母さんの命を考えて、出産しましょう。」

いよいよか。

妊娠最終日となったその日の夜、個室でひとりボロボロ涙を流しながらお腹のミニ太にいろいろ話しかけたり。
万が一ミニ太が亡くなってしまった時、生きていた証として心拍モニターのモニター画面をスマホで動画撮影してみたり。
その他いろいろ覚悟を決めていた気がしますが、…ここでは伏せますね。

 

そして24週1日を迎えた日(土曜日だったので、夫とムスメが来院、手術室そばで見守ってくれていました)、午後2時に帝王切開にて長男のミニ太出産。

私の妊娠は終わりを迎えました。

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