ミニ太成長記録13:未熟児網膜症-眼科検査編

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未熟児網膜症:概要については→こちら

妊娠24週1日で出生したミニ太は、未熟児網膜症のStage 2まで進行したため、両目ともレーザー治療を受けました。
本項では、未熟児網膜症に関するミニ太の実録(というほど大層なもんじゃないですが):眼科検査編 を綴っています。

 

未熟児網膜症とは(振り返り)

未熟児網膜症、略称 ROP。「網膜血管の未発達のために起こる網膜血管病変」です。

そして未熟児網膜症の原因は、様々な器官が未完成な状態で誕生したが故に眼球(網膜)の血管が正常に発達しないことです。

赤ちゃんの網膜の血管形成には最遅で妊娠40週ごろまで時間を要します。そのため、予定日より早く生まれた赤ちゃんの網膜の血管は、当然途中までしか伸びていません。
出生前後における低血圧、出生時の低酸素やその後の酸素供給などの要素が複雑にからみあい、血管の発達が影響を受けます。
その結果、微小な血管が出血したり、血管が枝分かれしたり、血管が蛇行したり、本来網膜に沿って発達すべき血管が眼球の内部(硝子体)に向かって伸びるなど、異常な発達をすることがあるのです。

 

ミニ太の発症経緯

ミニ太は、生後46日目(30週)から眼科検査がスタートしました。
そしてそこから5週間後の生後81日目、眼科検査後「要治療」の判断が確定し、治療の説明を受けたのち、当日夕刻中にレーザー治療を実施頂きました。

 

NICU/GCUでの眼科検査:事前準備

ミニ太がお世話になった病院では毎週木曜日の14時~、がNICU/GCU入院赤ちゃんの眼科検査の日、と決まっていました。

そのため、普段は20~30分程度の時間のズレは許容範囲であった昼前の授乳タイムも、眼科検査の日は授乳・投薬など諸々13時までに完了!と厳密にタイムリミットが設けられていました。
というのも、検査直前まで授乳したりしていては、検査時に赤ちゃんが泣いた際ミルクを吐いて気管に詰まってしまったりなど非常に危険な為です。

また、14時~の検査に合わせ、瞳孔を開く目薬を点眼してもらいます。
目薬は「カプト点眼」というもので、30分おきに2回、点眼して頂きました。
NICU入院中はミニ太が今以上にミニ=眼もちっさ!かったので、点眼のために瞼を開くのも一苦労でした^^;。
しかしこの目薬がきちんと点眼されないと、散瞳(さんどう)=瞳孔が拡大されておらず、再点眼&数十分後の再検査になってしまうため、毎回、看護師さんとハハと2人がかりで上下の瞼を開いて、暴れるミニ太を押さえながらなんとか点眼していました^^;。

各保育器で点眼が始まると同時に、NICU/GCUの部屋の明かりが順次暗くなっていきます。
これは瞳孔が開いてきた赤ちゃん達には普段の明かりでもとても眩しくなってしまうからです。

さらに赤ちゃん達の下に大判タオルと、希望者?にはおしゃぶりが用意されます。これは検査時の身体固定用&赤ちゃんの気分落ち着かせ用。

そうこうしているうちに14時に。

診察する眼科の先生と、連携するいつもの新生児科主治医の先生、そして眼底検査/撮影用の機械=眼底カメラの装置がコロコロされてNICU/GCU病室内にやってきます。
その時期で重症/網膜症の進行が速い/治療必要有無の判断が必要そうな赤ちゃんから順番に、各赤ちゃんのコットを医師とカメラが巡回していく形で検査は進められました。

そして、検査直前に眼球の局部麻酔目薬が点眼され、大判タオルでミイラのようにぐるぐるされて身体が固定されて検査開始となります。

 

NICUでの眼科検査1:観察レンズ

ミニ太の病院では、2種類の方法で眼科検査を行って頂いていました。
まず実施するのが、観察レンズを用いるもの。レンズを通して、先生が直接目視で検査されます。

眼科に行ったことのある方であれば、観察レンズは見たことがあるかもしれません。
眼科の先生がカメラのレンズ部品のような器具を片手に持って患者の眼の間近に配置し、ちょっと遠くから眼科の先生がもう片方の手で持つライトを当てて眼の中を見る、あれです。

ただし、先生の指示がまだ理解できない未熟児ちゃん達の場合は少し違います。

観察レンズ+先生が装着しているルーペ(眼鏡型拡大鏡)上部のLEDライト、開瞼器、そして未熟児鈎
最後の2つの器具が、むごい。いや検査の為には仕方がないのですが、大人で同じことをされると思うと…想像を超えます。本当に。
実物のイメージは、前述の単語のリンク先でご確認ください。

開瞼器

読んで字のごとく、上下のまぶたを無理やり開く器具です。これで否応なしに開眼。眼科検査中ずっと装着しているので、検査後に瞼に線状の痕がしばらく残っており、これが痛々しく申し訳なかったです…。

未熟児鈎

フックのようなもので、先が三角△のお皿のようになっています。この三角形の側を先生がずぶっと赤ちゃん達の目の際に差し込み押し込み、未熟児の眼球を回転・操作・固定するのだそう。これまた痛々しい…というか、どんな感触?!なのか、想像もつかないです..。

 

NICUでの眼科検査2:眼底カメラ

未熟児鈎でのお目目グリグリが終わると、今度は眼底カメラを用いた検査になります。この間、開瞼器は装着しっぱなし。(でも時々ズレたりするので再装着…)

眼底カメラとは、眼底検査/撮影用の機械です。ミニ太のお世話になった病院ではnatus社のRetCamというものでした。

RetCamパンフレットより

 

上図右側、グレーのコード先に付いているレジのバーコードリーダーのような白いハンディ機器がカメラです。
この白い機械の先端をミニ太の眼球表面にほぼ接触させ、機械下部にあるフットコントロールを足で踏むことにより眼底の画像が撮影できる仕組みです。
で、足で踏むたびにモニター上に撮影した眼底画像がどんどん表示されていきます。

過去の検査記録も全て保持されているので、撮影後に先生から経過の説明を受ける時も「前回検査時は血管がこうだったのですが…、今回は..」と実際の撮影画像を瞬時に比較目視できたので非常に分かりやすかったです。

この検査に初めて同席させて頂いたときに何よりも驚いたのが、カメラの先端=レンズを直接眼球の表面にくっつける点。
どなたかが仰ってましたが、アワビやウニ漁で海中を見る際、箱メガネを直接海面にくっつけると海中が良く見える。あれと同じ原理。
前述で「ほぼ接触」と書いたのは、ゼリー状のもの(妊婦検診のエコーで塗るような、あーいったゼリーです)をカメラ接触直前に赤ちゃんの瞳の上にこんもり乗せてからカメラをくっつけて検査されていたためです。

麻酔薬を点眼しているのできっと痛くはないと思うのですが、目の前で眼球をウリウリ(?!)されているのを見、母親の私の方がど緊張してしまいました。

 

観察レンズ・眼底カメラ両方の検査を終えると、ようやく開瞼器が取り外されて検査は終了。
眼科の先生より患者(=赤ちゃん)の保護者と新生児科の先生向けに病状説明がなされます。
その際、眼底カメラで撮影していった左右の眼の眼底画像を見せて頂けました。

この説明で「血管、順調に伸びているので様子を見ましょう」と言われるか、「ちょっとこのあたりの血管が…」と言われるかが運命の分かれ道となるわけです。
新生児科の先生からは、毎週の眼科検査が「じゃあ次は2週間後にまた診ましょう」に変われば一安心(=峠は越えた)ですよ、と伺いました。

 

眼科検査終了後

先生の説明が終了すると、その赤ちゃんの眼科検査は終了となります。レーザー治療などを行う場合は、いったん全赤ちゃんを見終わってから再度呼ばれたり、別日に治療となったりでした。

検査終了とともに、赤ちゃん達は順次大判タオルの固定から解放されるわけですが、被検査疲れや点眼の影響でほとんどの赤ちゃんがぐったり。
両まぶたには開瞼器のクリップ部分の跡がくっきりはっきり。
検査中は違和感と身動きできない怒りで大泣きだったミニ太も、終了時にはか細い声での泣きに変わっていたり、もはや放心状態!でチーン…といった表情をしていることも多かったです^^;。

初回の眼科検査後は初の点眼に身体が追い付かなかったのか、うんち&ガスが出ずお腹がカッチカチになってしまい、半日近く体調不良でした。
浣腸やらマッサージやらいろいろ実施頂いたおかげで、つぎの日には元通りになりましたが。

この検査に関しては(も、ですが)、あんなに小さい体であんな辛い検査に何度も何度も耐えてくれ(現在進行中)、本当に本当にありがとう、という気持ちでいっぱいです。

 

以上、ミニ太の未熟児網膜症記録:眼科検査編でした。
いち病院でのやり方なので違いは多々あるかもしれませんが、一例として何かのご参考になれば幸いです。

次で、発症経緯やレーザー治療について記したいと思います。

 

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