ミニ太成長記録10:慢性肺疾患と呼吸管理3

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赤ちゃんの肺の機能は妊娠32週前後で完成・成熟するため、それより前に誕生した赤ちゃんは肺の機能だけでなく自発呼吸・血液の循環などが未熟な状態。そのため、呼吸の補助が必要不可欠です。

24w1dで生まれたミニ太の場合、NICU/GCU入院中は口/気管に直接管を挿入する人工呼吸器(SIMV→HFO)→生後53日目に抜管、鼻に管を挿入もしくは鼻マスクタイプの人工呼吸器である CPAP 経鼻カニューレ →(数日間だけ) 何もつけない、という流れでステップアップさせて頂きました。

2018年12月現在は、自宅にて夜間のみ酸素療法継続中の身です。

本記事では、CPAPのあとにお世話になった経鼻カニューレの酸素療法について備忘録として綴っています。

 

【読み進まれる前に】

  • 以下で説明している内容は素人(非医療従事者)がミニ太の入院時に先生にお伺いしたお話、ミニ太が入院中実際に使用していた実機の情報などから個人的に調べてまとめているものです。そのため記載事項に誤りがある可能性も充分あります旨ご了承下さい。
  • 本記事ではミニ太の写真がちょいちょい登場します。顔は処理してありますが、超未熟児の画像を見るのはちょっと..という方はご留意下さい。

 

CPAPから経鼻カニューレへ

ミニ太は慢性肺疾患のため、他の周りのNICU入院中赤ちゃん達に比べるとCPAPの期間が長かったように思います。
CPAPのチューブを付けたまま抱っこや哺乳瓶での母乳与え等をするのは、チューブのズレや引っ張り・絡まりなどを気にしなければならないために大変でした。

でも生後78日を迎えた日。午前中から面会に行くと、ちょうど付け替えるところだったようで、看護師さんが
「これからミニ太くん、CPAPではなく鼻カニューレに変更しますよー!」と、初めて見る部品を片手に教えて下さいました。

切替から数日は様子見なので、調子が悪くなった時にいつでもCPAPに戻れるよう、人工呼吸器の機械自体はミニ太の横に設置されたままでしたが、それでもとっても嬉しかったです。

(経鼻)カニューレとは

カニューレ、カニューラと呼ぶこともあるようですが、「カニューレ」という単語そのものは専門用語ではなくドイツ語(Kanüle)で「管」という意味です。
英語のスペルはcannulaです。(ドイツ語読みがカニューレ、英語読みがカニューラ、という事ですかね)

カニューレという単語が医療現場で用いられると、「生体の心臓・血管・気管・傷口など管状の部分に挿入する、やや太めの管」を指します。
その管を鼻腔に接続する、ただし鼻の奥まで入れるわけではないので「経鼻」カニューレ、と呼ばれるのだと思います。

経鼻カニューレは、人工呼吸器を使用しません
なので、ミニ太の近くにこんな機器はもう設置されなくなりました。

コットの後ろに見えるのがCPAP人工呼吸器

よくドラマなんかで病室が映ると、患者さんのベッドの頭側壁面に「酸素」「吸引」と書かれた場所がありますよね。
あれは中央配管/壁埋め込み式の酸素アウトレット・吸引アウトレットと呼ばれるものだそうです。

NICU/GCUの各クベース/コット近くの壁面も同じようなものがありまして、酸素アウトレットに「酸素流量計」が取り付けられ、流入計の先端(下図では下の突起部分)に経鼻カニューレのチューブが差し込まれます。

看護rooより画像お借りしました)

看護師さんや先生が流量計の目盛り(下図では手前のグリーン色のつまみ)を左右に動かし、「浮き子(下図では左手親指部分奥の方に見える白い球状のもの)の高さ」で酸素量を調整されていました。

看護rooより画像お借りしました)
まずはほっぺ密着型経鼻カニューレ
経鼻カニューレの部品。この箱で幅10cm弱。ニュージーランド製でした

鼻のすぐ下~両ほっぺにまず下地のテープ(シール)を貼り、その上から鼻腔に差し込むチューブ~ほっぺ両脇から後頭部までをゆるく固定するチューブ(銀色の細い金属でらせん状に巻かれているところ)がセットになった部品をマジックテープ機能で貼り付けます。

下地となるシール状のものは、赤ちゃんの皮膚を考慮し、剥がれたり酷く汚れたりしない限りはそう頻繁には交換しませんが、鼻腔に挿すパーツの方は感染症予防の為に原則1週間ごとに交換されていました。

CPAP装着期間中はずっと白いコットンの帽子をかぶっていたミニ太。
その帽子付きのミニ太に見慣れていたため、カニューレ装着初日から数日はマルコメ並みのうっすら毛スキンヘッドに暫く慣れませんでした(笑)。
SIMV/HFOの時もマルコメ頭だったのにね。

装着図:こんな感じ

経鼻カニューレの長所としては、CPAPと似ていますが酸素投与経路が鼻腔のみのため、泣き声や食事妨げにならずに酸素の吸入ができます。
しかもCPAPより鼻部分についている部品が小さい/出っ張っていないので、おしゃぶり利用時もほとんど邪魔になりません。
おかげでミニ太も思いっきりおしゃぶりをしていました(笑)。
またほっぺいっぱいに貼られたシール/マジックテープで顔面部分のチューブがしっかり固定されているので、チューブ全体がズレることはCPAPに比べ格段に減りました。

一方、短所としては以下だったかなと思います:

  • カニューレ自体は下地のマジックテープでくっついているだけなので、下地がボロくなってくると、チューブがズレやすかったです。
  • ミニ太がうつ伏せでよく動くので、鼻腔にささっている突起(5mm程度)の細いチューブだけが鼻の外に出てくることがある。
    すると、その細い突起が目に刺さりそうになる。
  • 下地とマジックテープを貼る位置が適切でないと、赤ちゃんの鼻が変形する(笑)。
    →ただでさえ小さな未熟児の小さーい鼻腔にピンポイントで挿さないといけないので、下地の貼り位置が1mmズレただけでも(カニューレの位置に流されて)ミニ太の鼻が曲がります。
    下地を貼り付ける時に、いかにミニ太が暴れないかで結果が左右されます^^;。
    そして位置が悪いと鼻腔から外れやすいので、一時期はこんな感じにもなってました。
    …某ものまねタレントさんのセロテープ芸か(笑)。

 

ほっぺ密着型経鼻カニューレから、簡易型経鼻カニューレへ

ミニ太は1ヶ月半ほど、上述の両ほっぺに貼るタイプの経鼻カニューレにお世話になりました。
そして生後4ヶ月と1日経った頃、1本のチューブ(鼻腔付近)に2箇所穴が開いたのみの、簡易型(と呼ぶのか分かりませんが)経鼻カニューレに切り替わりました。

CPAP・密着型経鼻カニューレともに眼の下/ほっぺ上部がだいぶ圧迫・占有されていたため、何となくミニ太の顔が「魚っぽい/そら豆っぽい」形をしていました。
ですが、上記の簡易型経鼻カニューレに変わってからは、ほっぺにはこの細い経鼻カニューレチューブと栄養チューブを固定するテープのみとなったため、退院までにはずいぶん顔の印象が変わったように記憶しています。

ミニ太は現在自宅で在宅酸素療法(2018年12月時点では夜間のみの装着)を行っていますが、このタイプの経鼻カニューレを継続利用中です。

 

実はミニ太、退院前に「酸素(補助)をまったくつけない」日を何日か設けて様子を見た事もありました。

が、酸素無し初日は問題ないものの、数日経過すると

  • サチュレーションが下がる
  • 呼吸数が増える
  • 陥没呼吸が顕著になる

症状が現れ始めました。
呼吸数の増加やサチュレーション低下は体重増加に影響が出ます。(体重をどんどん増やさないといけない時期なのに、呼吸で余計なエネルギーを消費してしまい体重増加を妨げてしまう)

そのため、
「ギリギリのところで酸素補助なしで生活して肺を酷使するよりは、安心料の意味合いで酸素を持ち帰り、ミニ太くんの肺/呼吸の成長を待って余裕を持って酸素から卒業しましょう。」
という新生児科先生のご判断により、「酸素お持ち帰り」/退院後の自宅での在宅酸素療法、となったのでした。

 

呼吸管理関連は、別記事にて在宅酸素のお話まで続けたいと思います。
もう少しだけお付き合い頂ければ幸いです。

 

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