ミニ太成長記録03:慢性肺疾患

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2018年11月現在、NICU/CGUを退院してもうすぐ5ヶ月になりますが、現在いくつか経過観察・継続治療しているものの中に「慢性肺疾患」があります。

 

慢性肺疾患とは

まず赤ちゃんにとって子宮内から体外に出るという事は最も大きな環境の変化であり、その適応には大変な負担がかかると想定されます。
そして別の記事にも記していますが、赤ちゃんの肺の機能は妊娠32週前後で完成・成熟するものなのです。

ましてや早産、とりわけミニ太のように妊娠24週での誕生なんていったらその負担はきっと相当なもの。

そんな中でも呼吸をし、全身に酸素を取り入れるという事をしなければならないのですが、ミニ太のような超低体重出生児は肺だけでなく内蔵の働きや自発呼吸、血液の循環などありとあらゆるものが未熟な状態。そのため、人工呼吸器という器械を使って呼吸の補助をします。

人工呼吸器管理画面

ただこの人工呼吸器にも難点があります。
呼吸の補助をしてくれる半面、赤ちゃん自身の呼吸と完全にマッチする訳ではなく、また赤ちゃんの肺自体も未熟でか弱い為に、人工呼吸器によって肺を痛めつけてしまう(=炎症が起きる)ことがあります。また未熟な肺は感染高濃度の酸素などにも弱い為、その損傷はさらに進んでいきます。

それが慢性肺疾患です。

炎症が起きていると、レントゲンで肺を撮影した際、白くモヤがかかったような状態に見えます。(健康な肺は透明に映る)

超低出生体重児においては50%以上の確率で起こると伺いました。

 

慢性肺疾患の症状

多呼吸(1分間の呼吸が多く、ハッハッハッとしている)、陥没呼吸(呼吸をするたびに肋骨下が大きくへこむ)、チアノーゼ(呼吸困難などになり、顔が青紫になる)などの呼吸障害が起こります。
多呼吸が続くとサチュレーション(血中酸素量の測定値)が下がって来、NICUのモニターがエラー音を発します。
(ミニ太の場合はサチュレーション85未満の計測で鳴りました)

そうすると看護師さんが飛んできてくれ、一時的に呼吸器の濃度を上げたりします。
(上げっぱなしはまた肺の損傷を大きくしてしまうため、サチュレーションが復活しだいまた濃度は下げます)

ミニ太の場合は多呼吸と陥没呼吸でした。多呼吸は生後5ヶ月ごろ、陥没呼吸は生後6-7ヶ月頃になってようやく収まりました。

 

慢性肺疾患の治療

慢性肺疾患の根本的な治癒は実は「肺の成長(=肺の成熟)」です。
赤ちゃんの体重が増え、肺が成長し、自身で呼吸する力が強くなれば自然とこの疾患は無くなる=治癒となります。

しかしそれを待っている場合ではないので、有効性が報告されているステロイド剤の投与(点滴)が開始されます。

残念ながらステロイド剤には血圧や血糖値のバランスを崩したり、腸への負担を増やすなどの副作用があるようで、ミニ太も血圧が高い日が続いたり、輸血や血糖値を正常値に戻す点滴を何日も実施頂いたりしていました。

具体的な量をお伺いすることはしませんでしたが、ミニ太の肺はなかなか良くならず、先生からは「ミニ太の体重で投与出来うる最大量のステロイドで様子を見ています」と言われ、多くの日数ステロイドの投与がなされていました。

そして、呼吸器の抜管(口からの人工呼吸器の管を抜き、鼻付近に高濃度の酸素を漂わす)までは約2ヶ月を要しました。

 

ミニ太の酸素濃度の記録、NICU/GCU入院中の酸素療法の変化過程、退院後の「在宅酸素(療法)」などについてはまた別記事で記そうと思います。

 

 

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