ミニ太成長記録06:乳児血管腫/いちご状血管腫

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526g超低出生体重児として誕生したミニ太が抱えている疾患には以下がありますが:

もうひとつ「乳児血管腫/いちご状血管腫」があります。

乳児血管腫(別名いちご状血管腫)とは

簡潔に言うと「未熟な毛細血管が増殖したことによってできた良性の腫瘍」です、とミニ太のNICU入院中に新生児科の先生から説明を受けました。

こちらの製薬会社さんのサイトにも詳しく書かれています。

マルホ株式会社 > 「乳児血管腫とは

赤あざの一種で、見た目が赤くいちごのような外観であるため別名「いちご状血管腫」。
一般的には生後1~4週に血種が現れ、大きくなる場合は1年以内に急速に大きくなり(増殖期)、その90%以上は、5~7歳までに数年間かけて赤みは少しずつ消えていきますが(退縮期) 、多くの場合「あと」(瘢痕:はんこん)が残ります(消失期)。
(マルホ株式会社「乳児血管腫:どのような経過をたどるの?」より)

乳児血管腫ができる箇所としては「血管があるところならどこにでも」=体中らしく、皮膚表面だけでなく内臓にできることもあるそうです。
また形はたいていが円形・楕円形のような丸みのある形。
大きさは1cm以下の小さなものから、10cm以上の大きなものや広範囲に及ぶものもあり、まさにさまざま。発症箇所も1ヵ所~数十個の多発など、これまた赤ちゃんによっていろいろだそうです。

担当医の方からは、「正期産で誕生した赤ちゃんよりも未熟児赤ちゃんの方が現れやすい」とお伺いしました。

乳児血管腫の発症:ミニ太の場合

生後1-2週間、手のひらですっぽり包めるくらいのサイズだった時にはぱっと見分かりませんでした。たぶんその時はまだ発症していなかったと思います。

生後3-4週間程度経過して、NICU保育器の中ながら積極的にタッチングやオムツ替えをさせて頂けるようになった頃から、ちょうどミニ太のおへその上あたりに数ミリ程度の赤いあざ?痕?を見つけました。
その頃は点滴やらなにやらイロイロ腕に付いていたので、引っ掻くってのもおかしいなぁと思っていたのですが。
そんな素人疑問を察したのか?!、つぎのオムツ交換の際、看護師さんから
「ミニ太くんのこれ、血管腫みたいですねー。まだ小さいので全然大したことないですが、これから大きくなってくるかも。注意して見ておきますね。」と言われたのでした。

4ヶ月近くNICU/CGUにお世話になるうち、血管腫は3つに増え、最初に見つけたおへその上の血管腫+残りの2つも、発見時からは明らかに大きくなっていきました。

乳児血管腫は主に頭部、顔面など、首から上に多くみられるようですが、ミニ太の場合は首から上ではなく、以下の3箇所でした。
また3箇所とも、サイズや形状は異なっていました。

  1. おへその上:幅7-8mm、細長い、平ら(触っても立体感は感じられない)
  2. 首のうしろ、付け根あたり:直径6-7mm前後、丸、1-2mm程度隆起/出っ張っている(明らかにぷくっと出ている)
  3. 右ちょっと後ろ腰脇:幅8-9mm、長方形に近い(1.~3.の中では一番広い)、うっすら隆起/出っ張っている
乳児血管腫の治療

前述したとおり、ミニ太の血種はみな胴体に存在していたので服を着ている限りは何も誰も気づきません。

が、隆起している血管腫などはいつ(意図的でなくても)引っ掻いたりして出血、なんてことになったら大変ですし、治療法の長所短所(後述)を聞いたのち、新生児科の先生も「せっかくなんで治療しちゃいましょう」ということで、診察・治療をお願いすることにしました。

診察・治療をお願いするのはお世話になっている病院の形成外科。

そこで乳児血管腫の治療には主に3種類ある事を伺いました。

  • 経過観察
  • 薬による治療法
  • 薬以外の治療法:手術、レーザー照射など

ミニ太の3箇所の血管腫の状態を診て頂き、経過観察でも問題はなさそうだが、治療をするなら「増殖期である生後1年の間に手を打っておいた方が血管腫の面積も小さい=治療の効果も出やすい」と伺いました。
また、各血管腫のサイズから(麻酔が必要になるような)手術などではなく、レーザー照射治療が最適、との診断を頂きました。

レーザー治療であれば

  • 通常の外来で実施が可能
  • 痛さはレーザー照射の瞬間に「ゴムでパチンとはじかれた感じ」の痛さ程度
  • 施術後は、照射した箇所に数日間軟膏を塗る程度
  • 3ヶ月に1回の外来・照射

という事でデメリットが殆ど無かったので、是非お願いすることにしました。

ちなみに薬による治療法としては、最近では2016年に「プロプラノロール塩酸塩のシロップ製剤(商品名ヘマンジオルシロップ小児用0.375%)」の製造販売が承認され、これを内服して治していく療法も出てきているようです。(→日経メディカル記事

実際の治療

治療の正式名称は「Vビームレーザー治療」でした。
詳細な説明(実際の照射動画付き)がこちらのサイトにありましたので参考になるかと存じます。

松戸の皮膚科・形成外科・美容皮膚科ならシャルムクリニック赤アザ・赤ら顔 Vビームレーザー治療|形成外科

赤い色素にのみ吸収されるレーザーを用いることが特徴です。
Vビームのレーザー光を肌に照射、透けて見える毛細血管に作用し収縮・凝縮させることで肌の赤みを取り除いていく治療となります。

 

治療手順としてはざっと以下の通り。

形成外科の予約外来で訪問し、先生に呼ばれたらまずは3箇所の状態を先生が目視+写真撮影。
治療の経過が良好で「レーザー照射必要なし」と判断される箇所があることも。

「じゃ、さっそくレーザー当てましょうね」と言われて準備開始。
診察室から処置室へ移動、レーザー機の近くに移動し、ミニ太はころんと横に寝かされ、付き添いのハハは光線防止のサングラスを装着。

寝転がりがあまり好きでないミニ太の動きを他の2人の看護婦さんと適度に押さえつつ、その間に形成外科の先生がペン型のレーザー照射器で3箇所「ピシッ」「ピシッ」「ピシッ」。1箇所1秒程度
すぐに看護婦さんが軟膏(後述)の付いたお手製絆創膏(ガーゼ+テープ)で照射箇所を保護。
服を着せて、保冷剤を渡され「5分程照射箇所を服の上から冷やしておいて下さいねー。ではまた3ヶ月後に!」
で終了。

正味5分かからない程度で1回分が終了です。

帰宅後は、治療日の翌日から1日2回、5日間、処方されたリンデロンVG(デルモゾールG)軟膏を自宅で塗布します。

これを3ヶ月に1回実施している状況です。

【これまでの外来受診状況】

  • 2018年7月中旬:形成外科外来1回目:症状確認、治療法確立、治療法の説明を受ける
  • 2018年7月下旬:形成外科外来2回目:レーザー治療1回目、照射3箇所×1回
  • 2018年10月下旬:形成外科外来3回目:レーザー治療2回目、照射2箇所×1回 (おへそ上が茶色/薄くなったため、経過観察に変更)
  • 2019年1月下旬:形成外科外来4回目:レーザー治療3回目予定

 

治療後の経過

レーザー照射初日は血管腫の箇所にちょっと赤みが増す気がしますが、そこからは明らかに変化していきました。

  • みるみるうちに茶色く(目立たなくなる)なる:とくにおへそ上が顕著でした。
  • 隆起が減る
  • 面積が小さくなる

実際の治療経過(画像あり)については、宜しければこちらの記事をご覧下さい。

治療の費用について

保険適用の範囲です。ミニ太は0歳児の為、自治体の小児医療費助成制度にて0円でお世話になっています。

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