ミニ太成長記録14:未熟児網膜症-病状経過編

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本項では、レーザー治療に至るまでの病状の経過について備忘録としてまとめています。

  • 未熟児網膜症:概要については→こちら
  • 未熟児網膜症:NICU/GCUでの眼科検査については→こちら

妊娠24週1日で出生したミニ太は、未熟児網膜症Stage 2まで進行したため、両目ともレーザー治療を受けました。

 

未熟児網膜症とは(振り返り)

未熟児網膜症、略称 ROP。「網膜血管の未発達のために起こる網膜血管病変」です。

赤ちゃんの網膜の血管形成には最遅で妊娠40週ごろまで時間を要します。そのため、予定日より早く生まれた赤ちゃんの網膜の血管は、当然途中までしか伸びていません。
出生前後における低血圧、出生時の低酸素やその後の酸素供給などの要素が複雑にからみあい、血管の発達が影響を受けます。
その結果、微小な血管が出血したり、血管が枝分かれしたり、血管が蛇行したり、本来網膜に沿って発達すべき血管が眼球の内部(硝子体)に向かって伸びるなど、異常な発達をすることがあるのです。

 

ミニ太の病状経過

ミニ太は、生後46日目(30週)から眼科検査がスタートしました。
そして初回から5週間後の生後81日目、眼科検査後「要治療」の判断が確定し、当日夕刻中にレーザー治療を実施頂きました。

文章でつらつら書いても分かりにくいので、入院中の病状経過・眼科検査の経緯を以下時系列で表にまとめてみました。

時期 眼科先生の所見 結果
1 生後46日目(30週) 血管の伸びがあまりよろしくない。現時点での治療の可能性50% 取り急ぎ経過観察、また来週に診察する。
2 生後53日目(31週) 先週に比べると血管は伸びてきている。 このまま経過観察でまた来週。
3 生後60日(32週) 血管があまり伸びていない… このまま経過観察でまた来週。
4 生後68日(33週) 前回診察からは血管は伸びてきているが、左目の血管に蛇行が見られる このまま経過観察でまた来週。
5 生後74日(34週) 左目の方が顕著だが、右目も血管の蛇行が見られる。このままの場合、近々治療の可能性大。次回治療について説明させて頂く。 また来週。
6 生後81日(35週) 検査の結果、両目とも血管の蛇行および枝分かれが激しい為、治療決定 検査後、治療の説明を受けレーザー治療を実施頂く。両目各1,500発のレーザー照射
生後88日(36週) 検査の結果、レーザー治療の効果があったことを確認。ただ一部でまだ蛇行新生血管ぽいものがあり、次回必要に応じ追加レーザー治療予定。 また来週再検査する。
8 生後95日(37週) 顕著な蛇行や異常成長血管は見られず、経過良好。現時点では追加治療の必要は無いと判断する。 また来週再検査する。
9 生後102日(38週) 経過良好につき、次回検査は2週間後とする。
次回検査は2週間後
10 生後116日(修正5日) 経過良好。血管も落ち着いている。
次回検査は2週間後。
11 生後130日(修正19日) 経過良好、問題なし。入院中では次回が最後の検査予定。
次回検査は2週間後。
12 生後144日(修正33日) 問題なし、退院可
次回(退院後初回検査)は4週間後

 

ミニ太の場合は、生後40日超・30週から眼科検査が始まり、その5週間後にレーザー治療と相成りました。

レーザー治療に至る前は、一進一退..というか、一喜一憂の毎週でした。
ただ初回検査の段階ですでに「治療の可能性50%」と指摘を頂いており、また事前に素人ネット調べをしていたこともあったので、「レーザー治療です」と確定してもそれほど驚きはしませんでした。

治療前の眼科検査時は「左右の目、1,000発前後レーザーを照射することになると思います」と言われていたのですが、実際は左右1,500発ずつ
レーザー治療を実施頂いたあとの結果報告で、眼科の先生から
「思っていた以上に重症だったので…」
と言われ、(比較的楽天家のハハでも)少なからずショックだったのを覚えています。

治療/レーザー照射はNICU内で実施されました。

ミニ太の前にもう一人当日レーザー治療の赤ちゃんがいたので、ミニ太は夜の18時前から治療をスタート。
その間、ハハはNICUに隣接していた別室で待機。
時間が中途半端だったし、終了時間は不明だし、何ができる訳ではないけれども何となくミニ太のそばを離れる気分でもなかったので、夕食の為に席を外すことも出来ず、ただただ呼ばれるのを待っていました。

結局「ミニ太くん、治療終わりました」と看護師さんに呼ばれたのは20時すぎ。
計3,000発で約2時間;すべてが治療の時間かは不明ですが。)

ただ新生児科の先生に聞いてみたところ、ミニ太の出生週では1,500発は多くも少なくもない=平均的な照射数、との事でした。

 

治療日当時、ミニ太の酸素補助は経鼻カニューレだったのですが、治療のために口からの人工呼吸器に逆戻りしました。
そこから5日間かけてもとの経鼻カニューレに復帰。
治療はミニ太にとって相当の負担だったらしく、治療後数時間後のミルクは吐いてしまったり、お腹がカッチカチに張ってしまった為に当日のミルクはスキップしました、と次の日に看護師さんから報告を受けました。
ただ次の日の朝からはミルクを当初予定の半量からスタート、順調に消化復帰していったようです。

レーザー治療次の日のミニ太の両目は瞼が上下ともパンパンに腫れていて、ただでさえ薄い皮膚が本当に破けてしまうんではないかと思うくらい膨れ上がっていました。まるでシンプソンズの目が閉じたような。

ハハからは「お疲れ様、本当に本当によく頑張ったね。」という言葉しか出なかったです。

 

レーザー治療後の経過

レーザー治療後含め眼科検査の際は必ず眼底カメラの画像(→眼科検査編 参照)を見せて頂けるのですが、治療前後で血管の形/成長具合が素人目に見ても明らかに異なっていました。
血管の蛇行(いろは坂のようにぐにゃぐにゃくねくね曲がって伸びている)が無くなり、整った血管(という表現も変かもしれませんが)になっていました。

なお、「治療後の眼科検査が毎週ではなく隔週になった時点で峠を越えた、と考えてOK」とも言われていたので、9回目の眼科検査後はほっと一安心でした。
また、(他も同様かもしれませんが)ミニ太のお世話になった病院は「眼科の【退院OK】判定がNICU/GCU退院の第一条件」でした。
酸素や食事(ミルク)は自宅療養が可能ですが、眼科検査/治療は不可ですもんね。

 

おかげ様で、2018年12月時点レーザー治療の実施は入院中の1回で済んでおり経過観察中です。
ただ、まだまだ眼科とは長いお付き合いになりそうです。

 

未熟児網膜症の経過・治療方法は赤ちゃんの病状により千差万別ですが、超未熟児の一例として何かのご参考になれば幸いです。

次回未熟児網膜症記事にて、レーザー治療に決定した理由や具体的症状をまとめたいと思っています。(細切れですみません)

  • レーザー治療と注射治療、どっちを採択するか
  • 未熟児網膜症のステージ(Stage)とは?
  • 未熟児網膜症のゾーン(Zone)とは?

 

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